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こたつ布団は乾燥機がダメ?正しい洗い方とお手入れのコツを徹底解説

こたつ布団は乾燥機がダメ?正しい洗い方とお手入れのコツを徹底解説

 

冬のあいだ大活躍したこたつ布団、シーズンオフにはきれいにしたいけれど「こたつ布団は乾燥機がダメ」という話を聞いて、どうすれば良いか悩んでいませんか?

 

大きくて乾きにくいこたつ布団は、できれば乾燥機で手早く済ませたいものです。

 

特に、ニトリのこたつ布団を乾燥機にかけたいと考えている方や、コインランドリーでの失敗は避けたいと思っている方は多いでしょう。

 

洗濯表示にタンブル乾燥禁止と書かれていると諦めてしまいがちですが、実は温度設定に気をつければ乾燥機OKの場合もあります。

 

この記事では、コインランドリーの乾燥機で何分かけるのが適切か、洗濯後の乾燥機だけの利用は可能なのか、それともクリーニングに出すべきなのか、こたつ布団の乾燥に関するあらゆる疑問に答え、大切な一枚を来シーズンも気持ちよく使うための知識を詳しく解説します。

 

ポイント

  • こたつ布団に乾燥機がダメと言われる本当の理由
  • 洗濯表示「タンブル乾燥」マークの正しい見分け方
  • コインランドリーを失敗なく使うための具体的な手順
  • 乾燥機が使えない場合のクリーニングや正しい干し方

 

こたつ布団に乾燥機がダメと言われる理由

  • タンブル乾燥禁止マークは絶対NG
  • 乾燥機の温度設定が縮みの原因に
  • コインランドリーでの失敗例とは?
  • ニトリのこたつ布団は乾燥機OK?
  • ダメな時はクリーニングも選択肢に

 

タンブル乾燥禁止マークは絶対NG

消費者庁 新しい選択表示 乾燥のしかた

※出典:消費者庁 新しい選択表示

 

こたつ布団を乾燥機にかける前に、まず最初に確認すべき最も重要な情報が「洗濯表示」です。

 

特に、乾燥機の使用を根本から左右するのが「タンブル乾燥」に関するマークになります。

 

これを無視してしまうと、取り返しのつかないダメージにつながる可能性があります。

 

タンブル乾燥とは、洗濯物を回転させながら温風で乾かす方法のことで、家庭用乾燥機やコインランドリーの乾燥機がこれに該当します。

 

もし、お持ちのこたつ布団の洗濯表示に四角の中に丸があり、その全体に大きくバツ印が付いているマークがあれば、それは「タンブル乾燥禁止」を意味します。

 

このマークがある場合、理由を問わず乾燥機の使用は絶対に避けるべきです。

 

なぜタンブル乾燥が禁止されるのか?

このマークが付いているこたつ布団は、主に熱に弱い素材が使われています。

例えば、ウールやシルクといった動物性繊維、アクリルなどの一部の化学繊維、または繊細な刺繍や飾りがついているものが該当します。

無理に乾燥機にかけると、次に解説する縮みや変形だけでなく、繊維が溶けたり、中綿がプラスチックのように固まって元に戻らなくなったりする深刻なダメージにつながるため、メーカーが使用を禁止しているのです。

洗濯表示は、衣類を安全に取り扱うための、いわばメーカーからの公式な指示書です。

 

マークの意味を正しく理解することが、大切なお布団を長く使い続けるための第一歩となります。

 

詳細は消費者庁のウェブサイト「新しい洗濯表示」でも確認できますので、一度目を通しておくことをお勧めします。

 

乾燥機の温度設定が縮みの原因に

乾燥機の温度設定が縮みの原因に

「タンブル乾燥OK」のマークがあっても、何も考えずに高温で乾かすのは非常に危険です。

 

こたつ布団が縮んだり、風合いが損なわれたりする主な原因は、乾燥機の「温度」にあります。

 

素材によって熱への反応は異なります。

 

素材別の熱による影響

  • 綿(コットン)などの天然繊維:水分を含むと繊維が膨らみ、急激な熱で乾燥させると繊維が固く収縮する性質を持っています。これが「縮み」の正体です。
  • ポリエステルなどの化学繊維:綿ほど縮むことはありませんが、熱可塑性(ねつかそせい)という性質を持っており、高温にさらされると繊維が変形したり、硬化したりしてゴワゴワした手触りになることがあります。

特に、家庭用の電気式乾燥機に比べて火力が強いコインランドリーのガス式乾燥機は、庫内が80℃以上の高温になることも珍しくありません。

 

これはデリケートな素材にとっては非常に過酷な環境です。

 

もし乾燥機を使用する場合は、洗濯表示で高温が許可されていても、最初は「低温設定」を選ぶのが失敗しないための鉄則です。

 

コインランドリーでの失敗例とは?

手軽でパワフルなコインランドリーですが、正しい知識がないまま使うと、大切なこたつ布団を無残な姿にしてしまうことがあります。多くの人が経験する典型的な失敗例を知り、同じ過ちを避けるようにしましょう。

 

よくある失敗例とその詳細

  1. 中綿が偏ってボコボコになる
    これは最も多い失敗の一つです。キルティング加工(中綿がずれないように縫い付けてある加工)がされていない、または縫い目の間隔が広いこたつ布団を、サイズの合わない洗濯機や乾燥機で回すと、遠心力で中綿が団子状に固まってしまいます。一度固まった中綿は繊維同士が絡み合っており、ほぐして元に戻すのは非常に困難です。
  2. 生乾きでカビや不快な臭いが発生する
    厚みのあるこたつ布団は、中心部まで熱が伝わりにくく、表面が乾いているように感じても、内部が湿っていることがよくあります。湿気はカビや雑菌の温床です。乾燥が不十分なまま収納してしまうと、内部の湿気が原因で黒カビや、雑巾のような嫌な臭いが発生してしまいます。
  3. 生地が縮んで使い物にならなくなる
    前述の通り、素材に適さない高温で乾燥させてしまい、布団がひと回り以上小さく縮んでしまうケースです。こたつ本体のサイズに合わなくなるだけでなく、生地と中綿の収縮率の違いから表面が波打ったように変形し、見た目も損なわれてしまいます。

これらの失敗は、いずれも「洗濯表示の確認不足」や「大丈夫だろう」という自己判断が原因で起こります。

 

コインランドリーを利用する際は、後述する正しい手順を一つ一つ守ることが非常に重要です。

 

ニトリのこたつ布団は乾燥機OK?

ニトリのこたつ布団は乾燥機OK?

ニトリ(NITORI) 省スペース掛ふとん 長方形 NウォームSP ※出典:Amazon

 

「ニトリのこたつ布団は乾燥機にかけられますか?」という疑問は、非常に多くの方が抱くものですが、これに対する唯一の正しい答えは「製品ごとに仕様が全く異なるため、必ず個別の洗濯表示を確認してください」となります。

 

ニトリでは、幅広い価格帯とデザインの商品が展開されており、それに伴い使用されている素材も様々です。

 

例えば、安価なポリエステル100%のシンプルな製品では「タンブル乾燥(低温)」が可能な場合が多いですが、吸湿発熱素材「Nウォーム」シリーズや、デザイン性を重視したデリケートな生地の製品では乾燥機が一切使えないこともあります。

 

「ニトリだから大丈夫」という思い込みは危険

「去年買ったものは大丈夫だったから、今年も大丈夫だろう」といった思い込みは絶対にやめましょう。同じシリーズの製品でも、モデルチェンジによって素材や仕様が変更されている可能性があります。他の人の口コミやネットの情報を鵜呑みにせず、ご自身がお持ちの商品のタグに記載されている洗濯表示を必ず確認する習慣をつけましょう。もしタグをなくしてしまった場合は、ニトリ公式サイトの「よくあるご質問」で確認するか、安全を最優先してクリーニングに出すことをお勧めします。

これはニトリ製品に限らず、無印良品、しまむら、西川など、どのブランドのこたつ布団にも共通して言える最も重要なポイントです。

 

ダメな時はクリーニングも選択肢に

ダメな時はクリーニングも選択肢に

 

洗濯表示を確認した結果、「水洗い不可」や「タンブル乾燥禁止」だった場合、無理に家庭やコインランドリーで処理しようとするのはやめましょう。

 

そんな時は、布団専門のクリーニングサービスを利用するのが最も安全で確実な選択肢です。

 

プロのクリーニング店では、素材や汚れの種類を専門家が的確に見極め、それぞれの布団に最適な方法で洗浄してくれます。

 

家庭では落としきれない汗や皮脂の汚れ、アレルギーの原因となるダニなども、専門の機材と洗剤で芯からしっかりと除去してもらえるでしょう。

 

プロのクリーニングを利用するメリット

  • 失敗のリスクがない:専門家が洗濯表示に従って適切に処理するため、縮みや型崩れの心配がありません。
  • 衛生的:家庭の洗濯では落としきれないダニやアレルゲン、皮脂汚れまでしっかり除去できます。
  • 手間がかからない:特に宅配クリーニングを利用すれば、重くてかさばる布団を運ぶ必要がありません。
  • 保管サービス:次のシーズンまで、最適な環境で布団を預かってくれる保管サービスを提供している業者も多く、収納スペースの節約になります。

 

料金はコインランドリーより高くなりますが、「失敗して数万円の布団を買い替えるリスク」や「運搬の手間」を考えれば、結果的にコストパフォーマンスが高いと言えます。

 

特に、ウールやシルクなどの高級素材や、デザインが気に入っている大切なこたつ布団は、迷わずプロに任せるのが賢明ですよ。

 

こたつ布団が乾燥機でダメにならない方法

  • 乾燥機OKなこたつ布団の見分け方
  • コインランドリー乾燥機の賢い使い方
  • 乾燥機は何分かければいい?
  • 洗濯後の乾燥機だけの利用方法

 

乾燥機OKなこたつ布団の見分け方

こたつ布団を安全に乾燥機にかけるためには、洗濯表示を正しく読み解くことが全てです。乾燥機が使用可能かどうかは、「タンブル乾燥」のマークで明確に判断することができます。

 

具体的には、以下のマークが付いているこたつ布団は乾燥機の使用が認められています。マーク内の点の数は、許容される温度の上限を示しており、非常に重要な情報です。

洗濯表示マーク 意味 解説と注意点
タンブル乾燥ができる(通常) タンブル乾燥ができる(排気温度の上限は80℃) 一般的な乾燥機の標準・高温設定に対応しています。ただし、生地への優しさを考えると、可能であれば中温設定を選ぶのがより安全です。
タンブル乾燥ができる(低温) 低い温度設定ならタンブル乾燥ができる(排気温度の上限は60℃) 必ず乾燥機の「低温」設定を使用してください。コインランドリーの乾燥機は火力が強いため、この表示がある場合は特に温度設定を厳守する必要があります。

※画像は消費者庁HPより引用

 

逆に言えば、これらのマークがなく、前述した「タンブル乾燥禁止」のマークがある場合は、乾燥機の使用はできません。

 

これからこたつ布団を購入する方で、乾燥機の使用を前提に考えている場合は、このマークの有無を必ずチェックすることをお勧めします。

 

コインランドリー乾燥機の賢い使い方

コインランドリー乾燥機の賢い使い方

 

乾燥機OKのこたつ布団をコインランドリーで乾かす際は、失敗例で挙げたようなトラブルを避けるために、正しい手順を踏むことが大切です。

 

以下のポイントを一つずつ守って、買った時のようなふっくらとした状態に仕上げましょう。

 

コインランドリー乾燥 5つのステップ

  1. 大きめの乾燥機を選ぶ:これは最も重要なポイントです。こたつ布団をぎゅうぎゅうに詰め込むと、温風が均一に行き渡らず生乾きの原因になります。乾燥機のドラムの半分程度の容量を目安に、布団が中でゆったりと回転できるくらいの余裕のあるサイズの機械を選んでください。
  2. 温度は「中温」か「低温」を選択:洗濯表示で高温(80℃)が許可されていても、生地へのダメージを最小限に抑えるために、最初は中温か低温から始めるのが無難です。特に初めて乾燥させる布団の場合は、慎重すぎるくらいが丁度良いでしょう。
  3. 洗濯ネットから出す:もし洗濯時に型崩れ防止のためにネットを使用していた場合は、乾燥機に入れる前に必ず取り出しましょう。ネットに入れたままだと、熱風の通りが悪くなり、乾きムラの原因になります。
  4. 途中で一度裏返す:乾燥時間の半分が過ぎたあたりで一度乾燥機を止め、布団を取り出します。裏返したり、畳み直したりして、熱が当たりにくかった内側が外側に来るようにして入れ直しましょう。このひと手間で、全体の乾き具合が格段に良くなります。
  5. 乾燥後はすぐに取り出す:乾燥が終了したら、熱がこもったままの状態でドラム内に放置せず、すぐに取り出して清潔な台の上などで広げ、粗熱を取りましょう。これにより、内部の湿気が戻るのを防ぎ、カラッとした仕上がりになります。

これらの手順を守ることで、コインランドリーの乾燥機を安全かつ効果的に活用し、こたつ布団を清潔で快適な状態に保つことができます。

 

乾燥機は何分かければいい?

乾燥機は何分かければいい?

こたつ布団を乾燥させるのに必要な時間は、布団の素材、厚み、そして乾燥機の大きさや種類によって大きく変わります。

 

そのため、一概に「何分」と言い切ることはできませんが、一般的な目安を把握しておくと便利です。

 

こたつ布団のタイプ 乾燥時間の目安(中温設定)
薄手タイプ(春夏用など) 約30分~40分
標準的な厚みのタイプ 約40分~60分
厚手・大判タイプ(羽毛など) 約60分~80分

ただし、これはあくまで目安です。最も確実で失敗しない方法は、最初に30分ほど乾燥させ、一度取り出して乾き具合を手で触って確認することです。

 

特に、生地が重なっている中心部や四隅を念入りに触ってみて、まだひんやりと湿っているようであれば、10分ずつ時間を追加で乾燥させていくのが最適な進め方です。

 

「乾かしすぎ」にも注意!

「念のため長めに」と考えて長時間かけすぎると、生地の傷みや風合いの劣化、過度な縮みを引き起こす可能性があります。

完全に乾いたと判断できたら、それ以上は乾燥させないようにしましょう。

 

洗濯後の乾燥機だけの利用方法

洗濯後の乾燥機だけの利用方法

 

「自宅の洗濯機で洗えるけれど、干す場所がない」「天気や時間を気にせず乾かしたい」といった理由で、乾燥機だけをコインランドリーで使いたいというケースも多いでしょう。もちろん、この利用方法は全く問題なく、むしろ賢い選択と言えます。

 

自宅の洗濯機でこたつ布団を洗い、脱水までしっかりと行います。このとき、できるだけ長めに脱水しておくのがポイントです。

 

水分を多く含んだままだと、コインランドリーまで運ぶのが大変なうえ、乾燥時間も余計にかかり、結果的に料金も高くなってしまいます。

 

持ち運びの際のポイント

  • 大きめの防水性バッグを用意する:濡れたこたつ布団は想像以上に重く、水が滴ることもあります。車を汚さないためにも、丈夫で大きなビニール袋や、アウトドア用の防水バッグなどを用意しておくと非常に便利です。
  • できるだけ早く持ち込む:濡れたままの状態で長時間放置すると、雑菌が繁殖して嫌な臭いの原因になります。洗濯が終わったら、なるべく時間を置かずにコインランドリーへ持ち込みましょう。

 

コインランドリーに到着したら、これまでに解説した「賢い使い方」の手順に従って乾燥させてください。

 

洗濯と乾燥を別々に行うことで、それぞれの工程で最適なマシンサイズを選べるというメリットもあります。

 

こたつ布団に乾燥機はダメ?総まとめ

この記事では、こたつ布団と乾燥機の関係について、リスクから安全な使い方まで詳しく解説しました。最後に、大切なポイントをリスト形式で振り返ります。

  • こたつ布団を乾燥機にかける前には必ず洗濯表示を確認する
  • 四角に丸とバツが描かれた「タンブル乾燥禁止」マークは絶対NG
  • 乾燥による縮みや傷みの主な原因は高温の熱にある
  • 乾燥機OKのマークがあっても低温設定を選ぶのが最も安全
  • コインランドリーでの失敗は中綿の偏りや生乾きが特に多い
  • ニトリなど特定ブランドの布団も製品ごとに仕様が違うため個別のタグ確認が必須
  • 乾燥機が使えない場合は無理せずプロのクリーニングに依頼する
  • 乾燥機が使えるのは点の入った「タンブル乾燥OK」マークがあるものだけ
  • コインランドリーでは布団がゆったり回る大きめの乾燥機を選ぶ
  • 乾燥時間は30分から40分を目安に様子を見ながら10分ずつ追加する
  • 乾燥時間の途中で一度布団を裏返すと乾きムラを防げる
  • 自宅で洗濯後に乾燥機だけコインランドリーで使うことも賢い方法
  • 濡れた布団を運ぶ際は水漏れしないよう大きな防水バッグを用意する
  • 乾燥後は熱がこもらないようすぐに取り出して粗熱を取ることが大切
  • 正しい知識を持てば乾燥機はこたつ布団を清潔に保つための強い味方になる

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